平成22年度のわが国経済は、牽引役の製造業が中国や新興国に押され気味となり、世界上位の企業に順位後退の傾向が見られました。先行きへの不透明感から設備投資の意欲は減衰し、住宅着工数も失速した結果、資金需要は低迷しました。株式市場では、春先の生命保険会社の大型上場で新たな株主が市場参加者となり活況を呈しましたが、米国経済の停滞や欧州の金融不安の広がりや長期に及んだメキシコ湾の原油流失などから円高が進み、エコカー補助金の打ち切りとともに次第に低下いたしました。同時に、市場金利の低下が顕著になりましたが、年末からはようやく落ち着きが見られるようになりました。
しかし、3月11日に発生した東日本大震災が、被災地ばかりでなく、すべての産業の未来に向けた明るいシナリオを押し流してしまいました。この国難を克服するには、当地においても、もはや平時ではないことを認識し自らが変化し進化する気概を持って行動することが必要であると考えています
こうした中、地域社会の閉塞感を打開すべく資金や情報の提供による地域再生、支援・活性化に努めてまいりました。その結果、当期純利益は2億82百万円を計上することができました。
一方、業容面では、預積金は38億円増加して2,876億円になりましたが、貸出金は44億円減少の1,412億円にとどまりました。まだまだ国内事業者のマインドは慎重なスタンスを優先させている段階であり、多くの皆様方からメイン取引をいただいている弊金庫の特性によるものと認識しています。また、厳格な自己査定を反映した貸倒引当金につきましては、昨年に続き11億円の積み増しを行い健全性の向上に努めました。
しかしながら、厳しい経済環境にあっても将来の安定した経営基盤を構築するための自己資本比率は8.79%から9.20%に改善できました。
また、視覚障がいのある方がATMを使えるよう店内と店外の全台にハンドセット機能を追加設定いたしました。利便性の追求を重ねることが、必ず業績への力強いサポートに繋がるものと期待しています。
平成23年度の企業収益は、「がんばろう日本」の合言葉で震災ハンデを乗り越え回復に転じるものと信じておりますが、信用金庫法60周年にあたる本年をひとつの転機として捉え、再び創業時の熱い心であらゆることにチャレンジし、相互扶助の経営理念と協同組織の機能を十分に発揮させ地域社会の持続的発展に寄与するよう、役職員一丸となって全力を尽す所存でございますので、一層のご愛顧とお引き立てを賜わりますようお願い申し上げます。
平成23年6月
理事長